離婚とお金
離婚をする際、慰謝料や財産分与などのお金の問題は避けては通れません。
離婚時に、しっかりと取り決めをしなかったため、離婚後の生活が苦しくなってしまうとお困りの方も少なくありません。
ここでは、離婚とお金についてご紹介します。
■慰謝料
離婚における慰謝料とは、パートナーの浮気や暴力などを理由に離婚せざるを得なくなり、精神的苦痛を感じた場合に支払われることになる損害賠償のことをいいます。
そのため、離婚するからといって、誰もが慰謝料を請求できるわけではないという点に注意が必要です。
具体的には、不貞行為があったこと、配偶者からのDVがあったこと、性交渉がなかったこと、婚姻生活維持への不協力などが挙げられます。
慰謝料を請求することは可能かどうか、慰謝料の金額がどのくらいになるかは、ケースによってさまざまです。
そのため、弁護士に相談することで、慰謝料を受け取れる可能性が高まります。
また、本人に代わって配偶者と連絡を取ることができるため、配偶者とやり取りしたくないと考える場合には特に効果的です。
■財産分与
財産分与とは、離婚する際、配偶者の財産をお互いに分けることを指します。
離婚時の財産分与は民法で認められており、退職金も財産分与の対象に該当します。
お互いの感情が先行してしまい、財産分与について、適切な取り決めがなされないまま離婚が成立してしまうということも少なくありません。
また、離婚の原因を作ってしまった方であっても、請求可能とされています。
ただし、離婚後2年以内に請求しないと、請求できなくなってしまうことに注意が必要です。
財産分与には、清算的財産分与と扶養的財産分与、慰謝料的財産分与の3種類が存在します。
・清算的財産分与
婚姻中に築いた財産をそれぞれの貢献度に応じて公平に分配することを清算的財産分与と言います。
法律で定められているわけではありませんが、裁判所の判決を見ると、基本的に共有財産の割合は、1/2とする考え方が一般的です。
基本的にこの割合が変更されることはありませんが、ケースによってはどちらか片方の貢献度が大きいと判断され、割合が変更されることもあります。
・扶養的財産分与
共有財産を公平に分配し、他に必要な金銭の支払いがあっても、一方の生活に支障があると判断された場合は、金銭を補充して、離婚後の生活の維持を図るために扶養的財産分与が存在します。
これに関しては、義務ではないため、夫婦間の合意で取り決めがなされたり、裁判所で片方の離婚後の生活の維持がどれだけ難しいかなどを考慮して、取り決めがなされたりします。
・慰謝料的財産分与
片方に慰謝料の支払い義務がある場合、その分を考慮したうえで財産分与を行うことを、慰謝料的財産分与と呼びます。
基本的に慰謝料を支払うことで完結するため、慰謝料的財産分与が行われるケースはあまりありません。
協議離婚において、慰謝料の名目を明確に定めないような場合に、行われることがあります。
以上が、離婚時におけるお金の問題になります。
離婚は、夫婦間に何らかのトラブルが生じていることが多いと考えられるので、感情が先行してしまうものです。
しかし、離婚後の生活についてもしっかりと考える必要があります。
千葉成田法律事務所は、成田市、印西市、香取市、佐倉市を中心に、千葉県、茨城県、東京都で幅広く活動しております。
離婚についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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湯浅 恭吉Yasuyoshi Yuasa
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- 所属団体
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- 千葉県弁護士会
- 経歴
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- 渋谷教育学園幕張高等学校 卒業
- 慶應義塾大学経済学部経済学科 卒業
- 東北大学法科大学院 卒業
- 平成20年 弁護士登録
- 平成29年 千葉成田法律事務所設立
- 平成31年度 千葉県弁護士会常議員
- 平成31年度~現在 千葉地方裁判所・八日市場簡易裁判所 民事調停委員
- 令和3年度 千葉地方裁判所・八日市場簡易裁判所 司法委員