企業法務の仕事の種類

契約書の作成や契約交渉などの契約法務から、コーポレートガバナンス、ビジネス法務など、会社経営には法律の問題が常に伴います。
そして、労務や債権回収、誹謗中傷、商標権など、常に生じる可能性のあるトラブルに備え、トラブルが生じた際には迅速に対応することが求められます。
その中で、企業法務とは、企業間の法的紛争を避けるための予防法務や、事業戦略を組み立てるための戦略法務、実際に紛争が生じた際の対応などの臨床法務など、さまざまな分野を担います。
ここでは、企業法務の仕事の種類についてご紹介します。

■企業法務の役割
先述した通り、企業法務は大きく、予防法務、戦略法務、臨床法務の3つに分けられます。

・予防法務
予防法務とは、将来的に法的紛争が生じる事態を想定し、紛争が生じるリスクを防ぐために対策することを指します。
企業活動は、基本的に全て契約に基づいて進められます。
そのため、契約前の契約書を精査し、企業側にとって不利な内容がないかを確認します。
そして、不利益となるような内容は変更し、さらに有利となるような交渉を進めます。
他にも、法改正への対応などが挙げられます。

・戦略法務
戦略法務とは、法律の知見を活かし、経営戦略に反映することを指します。
具体的には、近年著しい市場の変化への対応が求められることから、多少のリスクを背負ったチャレンジを行うような際、法的観点から失敗するリスクを軽減するようなリスク対応を目指す取り組みなどが該当します。

・臨床法務
臨床法務とは、実際に起きてしまった問題に対応することを指します。
具体的には、倒産処理や訴訟対応、クレーム対応などのトラブルに対応します。

■仕事の種類
・労務分野
適切な労務管理のサポートを行います。

・組織法務
事業の立ち上げやガバナンス体制の整備、株主総会や取締役会の開催・運営などの支援が該当します。

・契約・取引法務
上記の予防法務が主に該当しますが、契約書のリーガルチェックが該当します。

・知的財産関連
特許権や商法権、著作権など知的財産関係の管理やトラブル解決に向けた取り組みを行います。

・債権回収や債権管理
債権の管理を行い、未払いが起きれば債権回収を行います。

・紛争法務
上記の臨床法務が主に該当しますが、生じたトラブルの解決に向けてサポートします。

・コンプライアンス法務
法改正など、法令遵守に向けた積極的な社内整備を行います。

・国際法務
近年、海外進出や、海外企業とのM&Aなどを行う企業が増えていることから、海外の法律や商慣習を理解した上で対応することが求められます。

以上が、企業法務の仕事の種類になります。

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